日本観賞魚新興事業協同組合(jOFa)
日本のアクアリウムを考える際に知っておくべき団体は、日本観賞新興事業共同組合(jOFa)でしょう。環境省との窓口という立場でもあり、ヒアリングでは愛好家視点の意見を伝えてくれています。観賞魚フェアの開催や観賞魚飼育管理士制度など、観賞魚飼育の振興・普及を目指されています。
設立目的
(日本観賞魚新興事業協同組合ホームページより抜粋)
観賞魚、並びに関連商品の販売及び流通業者は現在、より健康な生体、飼育器具の取扱、管理、飼育方法を合理的に正しく広めていかなくてはならない立場に 立っています。しかしながら、観賞魚業界において各企業はいずれも規模が小さく、魚病対策、在来種保護活動等を含めた環境保全に関するコンプライアンスの 周知徹底、更には経費のかかる事業展開、顧客へのサービス、その他の場合でも非常に不利な条件の下に置かれております。
こうした現状に対処する為、個々の企業では解決し得ない事業を中小企業等協同組合法に基づく法人組合において実施する目的で日本観賞魚振興事業組合が設立されました。
主な活動
各アクアリウムのイベントに水槽などの寄贈の他、勉強会・セミナーの企画運営や薬事法並びにワシントン条約に抵触する恐れのある広告の監視推進、動物医薬品特例販売業の許可取得推進と、様々な活動で日本アクアリウムに貢献されています。
事業計画の概要
(日本観賞魚新興事業協同組合ホームページより抜粋引用)
観賞魚の飼育・管理士制度実施に関する事業
観賞用魚の販売及び管理に携わる人材育成・確保ため、組合員等の飼育・管理技術のレベルに応じた講習会及び資格認定試験を実施し、観賞魚の飼育・管理士の認定制度を実施する。
観賞魚の共同宣伝に関する事業
観賞魚の飼育を勧奨するため、ポスター、ホームページ及び機関紙等に掲載する。又観賞用魚を広くPRするため観賞魚及び飼育関連用品展を開催するなどして宣伝をする。その他、観賞魚の飼育方法、水替え時、適切な汚水の排水場所等を掲載した小冊子の発行又観賞魚カレンダーを製作し業界のPRを行う。
観賞魚の環境保全に関する事業
飼育観賞魚の池、川への放棄防止のため、やむなく飼えなくなった飼育魚の引きとり制度を確立し環境保全を図る。
教育及び情報提供に関する事業
組合員の事業に関する経営及び飼育技術改善向上等を図るためセミナーの開催するほか、特定外来種法、カルタヘナ(遺伝子組み換え規制)など関連法令の冊子を作成し情報の提供を行う。
福利厚生に関する事業
組合員の慶弔等に対して見舞金を支給する。
その他事業
(1) 観賞魚の良種保存、新種の開発のための助成。
(2) 観賞魚の飼育器具、飼料、医薬品等の改良、発明のための助成。
(3) 観賞魚及び飼育器具の輸出入広報情報交換に関する助成。
(4) 事業間の親睦調整のための連絡指導。
(5) 観賞魚振興に献身する人材の育成と表彰。
観賞魚引き取りシステム
止まらない観賞魚放流の防止策として、日本観賞魚事業協同組合では「観賞魚引き取りシステム」を行っています。ホームページには「(放流は)生物に生き続ける機会を与えたいといった思いがなす行動であるケースがその殆どで、悪意によるものでは無きにしろ、その行為が自然に対しるマナー違反になる」と書かれ、外来生物法による規制への注意が促されています。
また、『現状、観賞魚として人気の高いグッピーやプレコ、水草ではホテイアオイ、カボンバ等が「危険種」としてリストアップされており、輸入や国内の移動が禁止とされる「特定外来種」として認定される順番待ちの状態にあります。 日本観賞魚振興事業協同組合としましては、”終生飼育”・”生体投棄の禁止”をアピールするポスターの製作・配布、専門誌を通して責任のある飼育の訴え掛けを行い、観賞魚が野に放たれないように広くお願いをする活動を推進しております。』と書かれており、啓蒙活動への大きな意欲が語られています。
引き取り制度の詳細は該当ページに書かれているので必要な場合はご覧ください。
組合員紹介
最後に組合員に少し触れたいと思います。組合員の構成をみると愛好家であれば、一度は目にした事のある社名ばかりです。㈱ビーボックスアクアリウム、㈲ピクタ、㈱広瀬、㈱アクア環境システムTOJO、(有)ジクラ、丸湖商事㈱、㈱アクアデザインアマノ・・・・・・・など、賛助会員には月刊アクアライフで知られる(株)エムピージェーといった具合です。
そして、実質日本アクアリウム界の代表といっても過言ではないと思われます、日本観賞魚新興事業協同組合の名誉会長には吉田 信行氏が選任されています。金魚の愛好家でしたらお気づきでしょう、あの江戸時代創業「金魚の吉田」の代表取締役の方です。金魚の本を執筆され、最近ではニュース番組の取材にも対応されており、泉佐野市の8000匹の金魚を自然の川に放流するイベントでは「病気がうつることや生態系が崩れることはまずないので・・・中止にするのは変」と受け答えをされる等、日本アクアリウム業界の代表として精力的に活動されています。
皆様いかがでしたでしょうか。日本のアクアリウムを考えるうえでの材料として、お役に立てたのでしたら幸いです。