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飼育の決まり

主に特定外来生物について、大まかに説明します。

​最新情報とズレる可能性もありますので、より詳しい情報は「調べる」からどうぞ。

​参考:環境省ホームページ

・何故、外来生物法を知らないといけないのか
 外来生物法をアクアリウムという趣味に照らし合わせて一言で説明すると、「飼育してはいけない魚が存在します」ということです。これに違反すると、個人の場合懲役3年以下もしくは300万円以下の罰金/法人の場合1億円以下の罰金となる可能性があります。
 「実際は、簡単にはそうならない」という意見がありますが、現代はSNSや動画投稿などを利用されている方が多く、知らずに画像や動画、情報を投稿して炎上に繋がる可能性があります。また、飼育してはいけない生物をネット販売する愚か者が逮捕されています。そのため、アクアリウムを安全に楽しむために知る必要のある情報なのです。

 しかしながら、このような話はなかなか耳にする機会がありません。むしろ、この手の話は、小難しく、硬いイメージがあり、疎まれることもしばしばあります。ですが、これからのアクアリウムにも関係しているので、ぜひ知っていただけると嬉しいです。

外来生物法とは何なのか?
 簡単に説明すると、日本の自然や人々に害を及ぼす外来生物を特定外来生物に指定し、規制をおこなう事で、国民生活の安定向上を目指すものです。
 では、特定外来生物に指定されると、どうなってしまうのでしょうか?輸入や飼育、栽培、保管、放流、増やす、譲渡、及び生きたまま運搬することが原則禁止になります。基本的に研究機関以外では、その存在が日本において消されてしまうこととなります。

違反した場合はどうなるの?
 先にも説明しましたが、もう少し細かく見てみましょう。
○個人の場合懲役3年以下もしくは300万円以下の罰金、法人の場合1億円以下の罰金に該当するもの
→販売もしくは頒布*する目的で、特定外来生物の飼養等をした場合
→偽りや不正の手段によって、特定外来生物について飼養等の許可を受けた場合
→飼養等の許可を受けていないのに、特定外来生物を輸入した場合
→飼養等の許可を受けていない者に対して、特定外来生物を販売もしくは頒布した場合
→特定外来生物を野外に放ったり・植えたり・まいたりした場合

○個人の場合懲役1年以下もしくは100万円以下の罰金、法人の場合5千万円以下の罰金に該当するもの
→販売もしくは頒布以外の目的で、特定外来生物の飼養等又は譲渡し等をした場合
→未判定外来生物を輸入してもよいという通知を受けずに輸入した場合

 ここで、未判定外来生物という言葉が出てきましたが、特定外来生物とは別に、生態系、人の生命・身体、農林水産業へ被害を及ぼす疑いがあるか、実態がよく分かっていない海外起源の外来生物は「未判定外来生物」に指定され、輸入する場合は事前に主務大臣に対して届け出る必要があります。

飼育していた場合はどうなる?
 特定外来生物として規制される前から愛がん(ペット)・観賞目的で飼養等している場合は、規制されてから6ヶ月以内に申請を提出することにより、許可を得られれば、その個体に限り飼養等し続けることができます。

どの魚が特定外来生物なの?

(リンク先:環境省 特定外来生物の解説ページ)
◦オオタナゴ ◦コウライギギ ◦チャネルキャットフィッシュ ◦ブラウンブルヘッド 

◦フラットヘッドキャットフィッシュ ◦ヨーロッパナマズ(ヨーロッパオオナマズ) ◦カワカマス科の全種
◦カワカマス科に属する種間の交雑により生じた生物 ◦カダヤシ ◦ガンブスィア・ホルブロオキ
◦ブルーギル ◦コクチバス ◦オオクチバス ◦ラウンドゴビー ◦ナイルパーチ ◦ホワイトパーチ

◦ストライプトバス ◦ホワイトバス ◦ストライプトバス×ホワイトバス ◦ラッフ ◦ヨーロピアンパーチ
◦パイクパーチ ◦ケツギョ ◦コウライケツギョ


水草は特定外来生物に含まれるの?

​(リンク先は環境省:特定外来生物の解説ページ)
水草に該当する可能性のある植物
◦ルドウィジア・グランディフロラ ◦アゾラ・クリスタータ(アカウキクサ) ◦ナガエツルノゲイトウ
◦ブラジルチドメグサ ◦オオカワヂシャ ◦オオフサモ(パロットフェザー) ◦スパルティナ属 

◦ボタンウキクサ ◦ミズヒマワリ

指定理由は何か?
 特定外来生物に指定されている種を見渡すと生命力の強い種であったり、他種に甚大な被害を与えかねない種ばかりです。一見、日本に定着できそうにない熱帯種も含まれていますが、そういった種には「琉球列島で定着の可能性がある」との一文が見られます。昨年の特定外来生物への指定は、2020年の目標である、愛知目標に基づいた決定です。これは「生物多様性」の問題意識から始まっており、世界的な流れであります。これからのアクアリウムは「生物多様性」を抜きに語る事はできないでしょう。

規制を予防するにはどうすればいいのか?
 とにかく外来種を逃がさないことが重要です。
 どうしても飼いきれなくなった生体は、譲り先が見つからない場合、自分の手で殺す覚悟が必要となってきます。しかしながら、現在では日本観賞魚振興事業協同組合が主導する生体の引き取り制度があるため、まずは一度HPにアクセスすることをお勧めします。

 また、水草に関しては必ず焼却処分をされる形で処理しなければいけません。植物の生命力は強いため、油断はできないのです。業界側と愛好家のモラルが求められます。
 

愛好家として規制との向き合い方
 自分の好きな種が含まれていないからといって油断はできません。規制理由に「琉球列島で定着の可能性がある」とある以上は、何かあればどの種も指定されかねないという事です。
 また、温泉地や工業排水の流れる場所では水温が安定して高いことにも注意しなければいけません。愛好家としてはこれ以上趣味の幅が狭まるような事態を防ぎたいものです。
 外来生物法は日本の生態系を守るために必要であることは否定できません。まずは多くの愛好家に、こういったルールを広めることが大事です。愛好家一人一人のできる範囲で広めていきましょう。

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