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水槽の立ち上げ
次は水槽に魚を入れるまでについてのお話しです。
水槽の立ち上げはバクテリアを増やすためにあります。
糞などのゴミが留まり毒になると説明しましたが、その毒を濾過してくれるのはバクテリアの力です。つまり、濾材に住み着くバクテリアの存在が魚の生死に関わると言ってもいいでしょう。バクテリアが存在しない、または少ない環境では毒が濾過されず魚にとって過酷な水槽となってしまいます。そこで、濾過器の中の濾材にバクテリアを増やす作業が必要になるのです。
1、水槽を水槽台におきます。
2、濾過器やヒーター等の器具や砂や石等をセットします。
3、水質調整剤を混ぜてカルキ抜きした水を注ぎます。
4、器具の電源を入れて動作確認をします。
ここまでが、一連の作業です。ちなみに、水草を入れるタイミングはこの段階で植えるか、バクテリアが増えて濾過が完成してから植えるかで分かれます。私はこの段階で丈夫な水草なら入れてしまいます。
さて、問題のバクテリアを増やす作業はここから始まります。
バクテリアを増やす方法や必要期間は人それぞれですが、大きく分けると二つあります。
「生体を入れる方法」と「餌を入れる方法」です。
前者は毒に強い魚を入れて糞をさせ、徐々にバクテリアを増やしていきます。強い魚は人それぞれなのですが、主にアカヒレという魚がこの役目に選ばれます。また、このような役目をさせられる魚のことを「パイロットフィッシュ」や「テストフィッシュ」と呼ばれます。バクテリアのいない環境で魚を飼育することになるので、その生存率は低くなります。
よってパイロットフィッシュは可哀想な運命の魚となります。
後者はパイロットフィッシュを入れずにバクテリアを増やす方法です。糞の代わりになるものを入れてバクテリアを増やすため、「フィッシュレスサイクリング」と呼ばれます。
糞の代わりになるものは人によって違いますが主に「アンモニア水」や「魚の切り身」「熱帯魚の餌」等が使われます。
魚をつかわないので心理的には気が楽です。
どちらの方法を選ぶかは貴方次第です。可哀想ですが、パイロットフィッシュをつかう方法の方が実際に魚の排泄物を使用してバクテリアを増やすためフィッシュレスサイクリングよりも良いバクテリアが増えるとも言われています。
「パイロットフィッシュ」または「フィッシュレスサイクリング」と検索すれば方法が詳しく書かれているサイトが数多くありますので参考にしてください。当然ながら方法や期間はサイトによって書かれていることが違います。
次のページでは、私のやり方で両方の簡単な立ち上げ方法をお話します。
・飼育をしながらバクテリアを増やす
ある程度飼育暦の長いアクアリストはパイロットフィッシュやフィッシュレスサイクリングをせずに水槽を立ち上げることがあります。濾過が完成した水槽から、こなれた濾材を拝借して、最初からバクテリアが住み着いている状態で飼育を始めることができるからです。それ以外にも、飼育したい魚を飼育しつつバクテリアの数を増やしていく方法があります。パイロットフィッシュを飼育したい魚で実行するわけですが、違うのは水換えを頻繁に行うことです。つまり、毒が致死量に達する前に水換えで取り除くわけです。しかしながらそれではバクテリアの増殖は遅くなりますし、頻繁に水換えするので手間がかかります。さらにパイロットフィッシュのように丈夫な魚ばかりでないので、水換えのタイミングを間違えば魚を死なせてしまいます。ある程度経験が必要な立ち上げ方で、リスクが高いため、お勧めはできません。
・バクテリアはどこから来る?
バクテリアはどこから来るのでしょうか。風に乗ってきたり、魚に付いてきたり、水道水に混ざっていたり・・・と色々なところからやってくると言われています。生肉を冷凍庫ではなくテーブルの上に放置しているとどうなりますか?どんどん形が変わっていくでしょう。それはバクテリアが分解していくためでもあります。では、そのバクテリアはどこから来たのでしょうか?そう考えていくとバクテリアはやはり色んなところにいるのでしょうね。種類は違えど貴方のパソコンにも付いていることでしょう。ちなみにバクテリアはたくさん種類があるようで、私の家の水槽にいるバクテリアと貴方の水槽に住み着くバクテリアが同じとは限らないようです。
バクテリアは市販もされており、バクテリアが中々増えなくて水が綺麗にならないなぁと思われたら使ってみるのもいいでしょう。



丈夫な魚として知られるアカヒレ
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